【恐怖】あなたの会社が勝手に無くなる!みなし解散の恐ろしさ

どうも、司法書士城田です。
この記事では会社の解散のなかでも、主にみなし解散について正しい知識を身につけていただきたく、
書いていきたいと思います。
そもそも会社って解散するんですか?
物事には始まりがあれば、必ず終わりがあります。
会社も同じで、ロックバンドやアイドルグループのように会社も解散することがあります。
具体的には色々なケースが考えられますが、例えば、
債務超過に陥って破産の開始が決定した時や、
他の会社に吸収合併されたときなんかを思い浮かべて頂けるとわかり易いでしょうか。
そういった場合は、これ以上存続が出来ないのですから解散するしかありませんよね?
その他にも、そもそも会社の存続期間というものを決めてしまう事や、
会社の解散の条件を決めてしまう事も出来ます。
これらは会社の好不調に関係なく、一定の期日や事由の発生をもって、
会社が解散する旨を定款にて決めてしまうという事です。
法律では上記のような会社の解散自由も規定されてはいるのですが、
実際に会社が解散するケースのほとんどは、決議によって解散する場合です。
例えば、後継者がいなかったり、債務超過ではないものの、
時代の流れとともに収益が悪化しており、早く見切りをつけた方が良い場合など、
会社が存続できなかったり、存続のメリットが薄い場合もあります。
そういった場合、会社は株主総会の決議で解散することが出来ます。
そうした場合、会社は清算作業に入り、余った財産を株主に分配して終了という事になります。
よく会社は誰のものなのか?というような問いが、経済事件などが起こるたびに話題になります。
倫理的な視点や経営学的な視点、様々な意見がありますが、
法律では明確に会社は株主のものという事になっております。
ですので、清算後の財産は株主に分配となるわけです。
その他にも株主は会社の所有者であるがゆえに、一定の要件を満たしている場合は、
会社を解散するように裁判所に訴え出ることが出来たりもします。
このような事があったりもしますので、会社は株主には逆らい辛いようになっているのです。
ただ、会社を解散したからいち早く清算しなければなりませんという事は一切ありません。
なんと、会社は解散した後、また継続することが出来るのです。
債務超過である会社を清算せずに残しておくことは出来ませんが、そうでないのなら、
もしかしたら跡取りが出てくるかもしれませんから、残しておく実益もあるのです。
このように、自分たちの意思で解散したりしなかったり出来る会社というのはある意味では恵まれています。
世の中にはとても恐ろしい「みなし解散」という制度がありますのでご紹介したいと思います。
法務局からくる会社解散の通知、その正体は・・・
みなし解散とは?
実は法律には、12年以上なんの登記も法務局に対して申請していない会社を「休眠会社」として、
法務局が勝手に解散の登記をしてもOKという規定があるのです。
要するに実体のない会社を整理しようという事です。
国側としても、実際に稼働していない会社を管理するにもコストがかかりますから、
税金の無駄遣いを抑制できるという事なのでしょう。
手続きとしては、一応最終的に解散の登記を入れる前に、
対象となる会社には通知が行くようにはなっているのですが、
そもそも本店を登記簿上の住所から移転しているのにもかかわらず、
その登記をしていない場合は、国の方でも現在の所在地に通知の出しようがありません。
そういった場合でも、問答無用に解散の登記は入れられてしまいます。
因みに、なぜ12年なのかと言いますと、現在の法律では、
役員の任期を最長で10年とすることが出来るため、
10年に一度はどんな会社でも役員の変更の登記をする必要があるのです。
しかし、12年間も何も登記が申請されていないという事になりますと、
もうその会社は活動していないと考えて差し支えないから2年の猶予期間を与えた12年という事になっています。
論理的に、国の言っていることもわからなくはありませんが、
実際には国民のすべてが法律を知っているわけではないので、
多少酷かなという気がしてなりません。
しかし、法律は既にあるわけですし、そうそう変えることは出来ません。
しかし、仮にも一国一城の主となっておられるのであれば、城を守るための知識や、
人脈を持っておかねばなりませんという事なのでしょう。
みなし解散後の会社はどうなってしまうのか?
みなし解散についていろいろと書かせていただきました。
勘の良い方なら「解散なんてされてもどうという事はないんじゃない?」
と思って居るかも知れません。
先程、上でも書いた通り、会社というのは解散しても継続をさせることが出来ると書きました。
実は、普通に決議によって解散した会社が継続をする場合、
解散からどれだけ時間がたっていてもかまいません。
という事は、みなし解散によって解散の登記がされてしまっても継続を決議すれば良いだけじゃないか?
という事になりそうですが、そんなに甘くはありません。
実は、みなし解散によって法務局が勝手に解散の登記を入れた場合、
3年を経過すると自動的に清算決了の登記がされてしまいます。
清算決了をされてしまいますと、最早継続は出来ません。
仮にその会社は登記をさぼっていただけで実体のある会社であったとしても、
会社の法人格は認めてもらえないという事です。
そうなってしまうと、銀行取引等、様々な支障が出ることは想像に難くないでしょう。
最後に・・・
実は、休眠会社の整理は平成27年までは5年に1回ほどのスパンでしか実施されませんでした。
しかし、平成27年からは毎年整理がされることになっています。
それだけ、法務局の管理コストもバカにならないレベルまで来ているのかも知れません。
勝手に国から解散を強要されないようにするには、一体どうすればよいのでしょうか?
一つの方法としては、定期的に私のような司法書士と連絡を取っていただき、
会社の近況や法務について相談していただく事でしょう。
みなし解散になってしまうという事は、登記をほったらかしにしているという事ですから、
仮に継続できたとしても国からの過料は避けられません。
実は、会社の登記というのは、一定期間内にしてしまわないと国から罰金のようなものがとられてしまうのです。
どうしたって、やらないと損しかないのです。
登記費用は確かにかかりますが、賢明な経営者の皆様ならどちらがお得かは理解していただけると信じています。