住宅ローン借り換えの落とし穴

世の中は低金利が長く続いており、近頃では、
そろそろFRBによる利上げがあるのでは?と、
言われながら、なかなかその発表はありません。
FRBは12月にアメリカ経済が力強い状態であ
れば、利上げに踏み切る意向であるそうですが、
正直、金融の難しい話はよく分かりませんね。
この記事の目次
あなたの住宅ローンは、借り換えできる?できない?
とにかく、今確実に言えることは、今の低金利
はこの先もずっと続く保証はないという事です。
そうなると、現在住宅ローンを借りている方は、
借り換えについてはラストチャンスかも知れません。
これ以上金利が下がることは、考えにくいです
しね。
しかし、すべての人が借換を出来るわけではあ
りません。
今回は、皆様の借換を阻む様々な要素について、
ご紹介したいと思います。
前面道路の制限により銀行が借り換えを拒む場合
建物の建築には原則として、4メートル以上の
公道に接している必要があります。
厳密にいうと、建築基準法で道路として認めら
れた道路に、敷地が2メートル以上接していな
ければなりません。
であるにも関わらうず、実際はそういった条件
をクリアしていない建物があります。
例えば、前面道路が4メートルを満たさないと
いった事はよくあるわけです。
そういった場合、建物を再建築する際には、
前面道路の幅を4メートル以上確保するために、
道路の中心線から2メートル以上のスペースが
確保できるまで、後ろに後退して、敷地を道路
として提供しなければなりません。
通常、金融機関が借り換えを行う際には、そこら辺
の物件の調査をするわけですが、後退が必要で
ある場合は、その分、担保価値は落ちてしまう
わけです。
そうなると、銀行としては融資を思いとどまる
ケースも出てきてしまいます。
建蔽率や容積率により将来の
不動産取引ができない場合
また、そもそも違法な建築で、建物を再建築出
来ない場合というのも、驚くべきことに、存在
します。
本来、行政による都市計画地域である場合、そ
の土地の性質によって、建蔽率と容積率が決め
られています。
建蔽率とは、その敷地に対して、どれだけの大
きさの建物が建てられるか?です。
100㎡の土地の建蔽率が60%なら、建物を建て
ても良い面積は60㎡という事になります。
容積率とはその土地にどれくらいの床面積の建
物を建てれるかという事です。
100㎡の土地の容積率が200%なら、床面積は
200㎡まで建てれるわけです。
これらの数値を現状でオーバーしている場合、
金融機関としては、融資が非常に難しい訳です。
なぜなら、仮に住宅ローンが滞った場合、銀行
はその土地建物を売却して投下資金を回収する
からです。
しかし、建蔽率や容積率をオーバーしている建
物は、流通性が非常に低くなるため、回収が難
しいと判断されてしまうのです。
ご自分の住んでいる地域の建蔽率と容積率は、
市役所でかくにん出来ます。
また、建物の大きさは法務局で建物の登記簿
謄本を見ればわかりますので、一度調べてお
いても良いかも知れません。
悪質な建築業者が施工している場合
旭化成建材の件で不正・不法な建築物が世間
を騒がせていますが、不正な建物はマンショ
ンばかりではありません。
先程、上でも書きましたが、建物は前面に4m
以上の公道がなければなりません。
しかし、周りの状況的に公道には接道出来ない
ような土地があるのも事実です。
そういった土地に住宅を建て、分譲してしまう
業者が存在します。
もし、あなたの家が狭い路地に面して一戸建て
住宅が連なっているような場合、一度調べてみ
た方が良いかもしれません。
そのような場合、建築確認申請では路地に沿っ
て、長屋を建てるような申請をして建築の許可
を受けている可能性があります。
そうなると、路地が最終的に公道に通じていた
としても、実際に行動に面している敷地でなけ
れば、再建築は非常に難しく、実質的には単独
で売ったり、建て替えたりをすることは出来な
い土地という事になります。
そのような土地になぜ、最初の住宅ローンが実
行されたのかは謎ですが、その時の状況により、
そういった融資がされてしまう事はあるという
事です。
そして、そういった土地に関しては、借換は非
常に難しいと言わざるを得ません。
こういった手法を使って、相当数の住宅のが建
築された時期がありますが、その業者は既に多
くが廃業していたりで、追及する先がないのも
現状です。
郊外の不動産を購入した場合
都心部に一戸建てを購入するというのは値段的
に難しいものですよね?中には通勤時間を犠牲
にして、家族のために郊外に一戸建てを購入し
た方も居られるかと思います。
そういった場合に注意が必要になるのが、行政
が線引きしている用途地域です。
仮に、市街化調整区域の場合、建物の再建築に
一定の制限がかかる事になる場合があります。
市街化調整区域に建物を建築する場合は、誰が
建てるのかを重視する場合もあります。
もしかすると、その土地はあなただから建物を
建てる許可が得られたに過ぎない場合もあるの
です。
その場合は、他の人なら許可されない可能性が
あるという事で、建物の再建築に制限があると
いう事です。
再建築についての制限があるという事は、銀行
が融資の際に二の足を踏む要素があるという事
です。
また、風致地区のである場合は再建築の制限に
加えて、再建築する建物の外観や色までも自由
に決めることが出来ない場合があります。
ご自宅の立っている場所がどのような用途地域
の範囲内にあるのかを調べるときは、市役所に
行けばすぐにわかりますので、調べてみても良
いかも知れません。
まとめ
金融機関が融資の審査をする場合は、収入面だ
けを見るのではなく、担保などの様々な要素を
勘案します。
もしも、上記のような理由により、借り換えの
審査に落ちてしまった場合、高い金利のままで
住宅ローンを返し続けなければならないと、
途方にくれることもあるかも知れません。
しかし、各金融機関には独自の審査基準があり、
一つの金融機関で断られたとしても、他の銀行
なら可能な場合もあります。
その他にも、金利を下げる方法はいくつかあり
ますので、FPやそういった事に詳しい司法書士、
税理士、コンサルタントなどの専門家に相談し
てはいかがでしょうか。